「レイル・マガジン」誌の名取紀之編集長のブログ「編集長敬白」の11月 4日付け「わたらせ渓谷鐵道トロッコ列車に乗る。」で、わたらせ渓谷鐵道が、9月25日に登録有形文化財として答申された施設を見学するツアーを企画していることを知った。上図のちらしによると、文化財のあるところでは徐行して「ツアーに参加しないとじっくり見られない文化財もあり」とのこと。早速電話で申し込むと、しばらく後に「ご案内」が郵送された来た。
集合は大間々駅10時50分。北千住駅07時51分発の特急「りょうもう」3号に乗り、終点赤城駅から歩いて大間々駅に向かう。到着したのは10時前なので、さすがにツアー参加者らしき人は見当たらないようだったが、自家用車で来る人が多いようで、三々五々集まりだしてきた。列車はトロッコ列車だが、自由席で先着順に乗車とのことなので、早めに列に並ぶ。受け付けが始まると、代金(1人2000円+別に申し込んだ弁当代1000円)と引き換えに資料が入った封筒と領収書、弁当・お茶に、キリンのノンアルコールビール(キリンビールからの提供とのこと)が渡される。
封筒に入っていた資料の中に、「わたらせ渓谷鐵道 車窓の旅~鉄道文化財めぐり」という、広げるとA1版になるパンフレットが入っていた。駅でも配布されているものだが、38の鉄道文化財の説明と、位置が示された地図からなり、ツアーでの説明もこのパンフレットを元に行われた。地図の面には、トンネルは橋梁の形式、煉瓦の積み方に関する解説もある。
11時14分に大間々駅を出発。適宜徐行しながら、足尾駅に12時50分に到着した。列車の編成はDE10+客車+トロッコ+トロッコ+客車の4両編成で、客車2両の座席定員180名を募集して満員。トロッコは自由に利用できる。客車・トロッコ計4両のそれぞれに、沿線の自治体からの説明員が配置され、要所要所でわかりやすく詳しい解説をしてくれた。ちなみに、わたらせ渓谷鐵道の社長もツアーに同行していたようだ。
さすがにトロッコは寒いが、そのおかげで客車から移ってくる人も多くはなく、左右に移りながら文化財や車窓を楽しむことができた。ということで、以下主だったものの写真を列挙する。
大間々-上神梅間の手振山架樋(3=上記パンフレットの番号。以下括弧内の数字は同じ)。崖を下ってくる雨水や土砂を渡良瀬川に流すための14mのコンクリート製で、1930(昭和5)年にできた。支柱は古レールで、1907年の刻印が2本で確認されたとのこと。
そのすぐ先が第一神梅トンネル(4)。1912(大正元)年に作られたもので、全長166m。側壁は煉瓦と切石の組み合わせ。
さらに進んで第二神梅トンネル(5)。同じく1912(大正元)年で全長27m。煉瓦造りで、パンフレットによると「漏水防止用のコンクリートを吹き付けた以外は、建造当初の姿を最もよく残したトンネル」とのこと。
上神梅駅本屋(7)。他の施設に先行して、昨年7月 8日に有形登録文化財に指定されている。1912(大正元)年のもので、木製の改札口が残る。軒からぶら下がっているのは、12月 6日から始まっている「第6回わたらせ渓谷鐵道各駅イルミネーション」のもの。
城下トンネル(10)。「しろおり」と読む。全長82mで、「人力により掘られたトンネルの壁面は、開業時の煉瓦で覆われています」とのこと。この手前の城下橋梁(9)の含めて徐行で通り、他にも徐行された橋梁は多いのだが、通っている橋梁の写真を撮るのは難しい。
城下トンネル内部の壁面。煉瓦は長手に積まれている。
神戸駅本屋(19)。本屋に接する下り線プラットホームや、隣接する休憩所とともに登録文化財となる。
神戸駅危険品庫(22)。わたらせ渓谷鐵道で煉瓦造りの危険品庫が残されているのは相老・神戸・足尾の3駅とのこと。
沢入駅下り線待合所(23)。1927(昭和2)年のもので、プラットホームとともに文化財指定。ここにも「イルミネーション」がぶら下がっている。
沢入駅上り線待合所(24)。下り線2年後の1929(昭和4)年のもの。こちらもプラットホームとともに指定されているが、ホームは上下線ともに1912(大正元)年の姿を残している。
沢入-原向間の名越トンネル(25)。写真はトンネル外の落石覆いだが、古レールが使われている。
同じく沢入-原向間の吉ノ沢架樋(26)。1935(昭和10)年製で長さは14m。支柱は古レール。水ではなく、線路際の崖から落ちる花崗岩を避けるためのものだとのこと。
原向-通洞間の第二渡良瀬川橋梁(28)。わたらせ渓谷鐵道では珍しいトラス(プラットトラス)で全長95mの石川島造船所製。
足尾駅危険品庫(35)。1914(大正3)年のもの。前面に特徴があるそうだが、駅構内に滞在している時間がなかったため、後ろからの写真。この写真から後は、列車を降りて徒歩で足尾駅から通洞駅を経て足尾歴史館に向かう途中でのもの。
渋川橋梁(32)。通洞駅のすぐ足尾駅側にあり、全長14m。上路式プレートガーダだが、その外側を古レールが支えている。手前のパイプも古く、写真左側の端に軌道があった時代の写真にも写っている。
[写真:2009年12月13日]
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