九州初黒星

2013年12月 8日(日)
前にも書いたように、トップリーグ後半戦で、上位のA組の試合のうち、関東・東海・近畿以外で行われる唯一の試合が、この日のキヤノンイーグルス対東芝ブレイブルーパスである。イーグルスにとって、九州での試合は10月20日のコカ・コーラウエストレッドスパークス戦に続いて、今期2試合目。これまで九州では4戦全勝(他に山口でも1勝0敗)という縁起の良い土地で、過去2連敗ながら、昨期6点差、今期2点差と僅差であったブレイブルーパスから初勝利を挙げたいところだ。
試合は日曜日なので、土曜日の飛行機で鹿児島入りして1泊。鹿児島市ではなく、南大隅町の根占温泉に泊まり、垂水からフェリーで錦江湾を横断して、試合が行われる鹿児島県立鴨池陸上競技場に近い鴨池港に上陸した。フェリーには、観戦に行くと思しき歌の家の高校のラグビー部員たちが大勢乗っていた。

この日は2試合が行われ、1試合目は12時00分から九州電力キューデンヴォルテックス対クボタスピアーズで、イーグルスの試合は14時15分から。到着した11時45分頃には、イーグルスのテントは準備の真っ最中だったが、受け付けはしてもらえたので入場。第1試合も、選手入場から見ることができた。
天気も良くて、日当たりのよい場所は暖かく、絶好の観戦日和。申し訳ないが、空席も多くてゆったりと観られる。開始直後に、スピアーズフルバックのケイド=ポキが、何人もの相手を跳ね飛ばしながらトライを決め、これは一方的な試合になるのかと思ったが、その後はお互いに得点を入れ、25対14でスピアーズが勝った。スピアーズは2勝で、第2節を終えてB組の首位に立っている。

同じ日に2試合ある場合は、第1試合の2時間後に第2試合が始まることが多いが、1試合は前後半各40分+αにハーフタイム10分で1時間40分ぐらいかかるので、試合間が20分だとちょっとあわただしいが、今回は15分長いので、ゆったりとしている。第2試合の選手たちも、第1試合が終わってからグラウンド上で練習をしている。もっとも、イーグルスの選手の一部は14時10分頃まで練習を続け、そのせいか試合開始は5分遅れて14時20分だった。

試合開始前、「かごしま観光大使」から、両チームキャプテンに花束贈呈。プロ野球ではよくある光景だが、トップリーグでは珍しいかもしれない。和田拓・リーチマイケル両キャプテンも、慣れていない感じでした。ついでに、この後で観光大使と記念撮影を行った主審・副審の3人も、照れていた感じでした。

前半は、どちらかというとイーグルス優勢か。ブレイブルーパスに攻め込まれて危ない場面も何度かあったか、ミスに助けられたこともあり、トライを許さず。結局、両チームトライなし。ブレイブルーパスPG、イーグルスPG失敗、ブレイブルーパスPG、イーグルスPGで3対6の後、ブレイブルーパスのPG成功でハーフタイムとなった。まだまだ1トライ・1ゴールで逆転できる3対9。

この競技場の欠点は、電光掲示板が見にくい、というか、日が傾きはじめるまではほとんど見えないこと。残り時間がすぐにわからないので、選手も大変なのではないだろうか。その代わり、でもないだろうが、場内放送は放送局のアナウンサーかもしれず、わかりやすいものだった。
あと、印象的だったのはボールボーイが、きれいな長いパスでボールを渡していたこと。月末に開幕する全国高校ラグビー(いわゆる「花園」)に出場を決めた鹿児島工業高校のラグビー部員だそうで、むべなるかな。会場前で応援用のタオル等を売っていたので、買えばよかったかな。
後半も前半同様の展開が続く中、12分にブレイブルーパスゴール前でモールを作り、そのまま押し込んでトライ!見事なドライビングモールで、これまでのイーグルスではあまり見たことがない気がする。相手の出場2試合目の新人スクラムハーフ小川高廣がゴールを次々に決めているが、三友良平も負けずに入れて10対9と逆転!
その後は、長いキックの応酬。まるでテニスのラリーのようで、どこまで続くのだろうと場内の期待が高まりだしたところ、田井中啓彰がふっと短いパント、それと同時に走り出したアイザイア=トエアバがキャッチし、そのまま一気に走ってトライ!見事な連携で17対9と点差を広げた。
次のイーグルスの反則。点差があるので、ブレイブルーパスはトライを狙いに来るのではないかと思ったがPGを選択して成功。17対12とする。まだトライは取れると思っているということだろう。
その直後、ゴール前まで攻め込んだイーグルス。マイボールのスクラムというチャンスだったが、そこから出たボールを走り込んできたブレイブルーパスの吉田大樹に奪われてしまい、勢いもあって完全な独走。80~90m走られてしまい、余裕で中央にトライ。もちろんゴールも決まり、17対19と逆転されてしまった。このあたりが、強豪の底力というものだろう。
さらに31分にもトライを奪われ、17対26と1トライ1ゴールでは逆転できない点差に広げられてしまう。ここで、さっきのPGが重くのしかかる。しかし、ブレイブルーパスとしても、あと2トライを重ねて勝ち点1を得たいところだろう。残り10分、見応えのある攻防が続く。
そして38分。トエアバから原田季郎へのパスが決まり、5試合連続となるトライ!今期8トライで、リーグ1位のジャック=フーリー(神戸製鋼コベルコスティーラーズ)に2差で2位につけている。それもそうだが、時間がない!それがわかっている三友は、難しい位置からだったが、ほとんど息を整える暇もなかったのにゴール成功!頼りになる2人のおかげで、24対26。何とか!
キックまでの動きが鈍いブレイブルーパス。イーグルスがボールを持つ。しかしホーン。ボールを取られると、蹴りだされてしまう。しかし、イーグルスが反則を犯してしまい、そこでノーサイド。粘りを見せて、7点差以内の勝ち点1はもぎ取ったものの、対ブレイブルーパス3連敗となってしまった。
これで後半は1勝1敗。勝ち点6で5位と、一歩後退した。ちなみに、個人成績では、上記の通り原田の他、三友が得点4位につけている。
次節は、中5日でヤマハ発動機ジュビロ戦。勝てば、4位以内に戻れますよ。

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