黒と赤
2013年 9月13日(金)
まだまだ暑い8月に開幕したラグビートップリーグは、9月まではおおむね夕方から夜にかけて試合が行われる。それを活かして、秩父宮ラグビー場では金曜日の19時から、即ち多くの会社員が会社帰りに観戦できる日時に試合が行われる。
9月13~15日の第3節では、その試合がキヤノンイーグルス対リコーブラックラムズ。事務機ダービーとか、複写機ダービーとか、コピー機ダービーとか、いろいろな言われ方がされている対戦である。
両チームも、一緒になって試合を盛り上げようと、こんなポスターを作っている。


ジャージも、

と、イーグルスは「imageRUNNER ADVANCE」、ブラックラムズは「imagio」と、両社の複写機のブランド名のものになっている。
試合前に、時折映し出されるコマーシャルも、

と赤と黒。でも、これだと黒の方が強そうに見えるけど…。あと、企業としては、やっぱり赤より黒の方がいいようにも思うけど…。
などと、試合前には不穏なことを考えていた。

この日は、19時の試合開始に対して、18時開場予定。17時30分頃に到着すると、既に行列ができており、早々に並ぶ。列が伸びたので、開場も早まった。このあたりや行列のさばき方は、なかなか巧みな秩父宮ラグビー場である。
イーグルスの先発は1.菅原崇聖、2.山本貢、3.上田聖、4.日高駿、5.ジャスティン=アイブス、6.湯澤奨平、7.清水直志、8.マウ= ジョシュア、9.福居武、10.アイザイア=トエアバ、11.ハビリ=ロッキー、12.三友良平、13.ティム=ベネット、14.和田拓、15.橋野皓介。
プロップの城彰がはずれ、2年目上田聖が初先発。これまで2試合は、控えで入っていたものの出場機会がなかったので、これがトップリーグ初出場となる。他のメンバーは変わらず、ほぼ第1戦から固定されている。
控えは16.金子大介、17.宍戸要介、18.山路泰生、19.鷹クロフォード=アストン、20.アダム=トムソン、21.髙城良太、22.カラム=ブルース、23.原田季郎。
山路泰生が今期初メンバー。第2節は外れていたカラム=ブルースが戻っている。
ここまで2試合、1勝1敗で勝ち点5のイーグルスに対し、ブラックラムズは第1節で再昇格のコカ・コーラウエストレッドスパークスに辛くも引き分け、第2節でヤマハ発動機ジュビロに終盤に逆転され1敗1分で勝ち点4。どちらも、2試合両方で勝ち点を稼いでいる。
前半は、イーグルス優勢。11分に、ハーフライン近くから狙った三友良平のペナルティゴール(PG)は失敗するが、14分には見事に決めて3対0。その後も敵陣でボールを支配し続けるが、もう少しのところでノックオン等のミスが出て、得点につながらない。あまりに会社の期待が大きすぎて、焦りがあるのだろうか。
対するブラックラムズはキックを多用。しかし、そのほとんどがイーグルス優位に働いていたようだ。結局、終了間近にブラックラムズがPGを成功させて3対3の同点でハーフタイムとなった。

後半最初から山路泰生選手登場。前半の優勢を維持して、相手の疲れを突いて得点を重ねたいところだ。
前半と同じような展開が続く。10分にジャスティン=アイブスとアイザイア=トエアバの外国人2人が下がり、アダム=トムソンとカラム=ブルースに交替。すると、14分にブラックラムズPGで3対6。そして、17分、ブラックラムズがスクラムから押しこんでトライを決め、3対11となる。
この前後から、前半とは見違えるように完全にブラックラムズペース。22分にPG、24分にトライをされ3対19と突き放される。29分三友のPGで、6対19とトライ・ゴール2本で逆転できる圏内に入ったのもつかの間、直後にブラックラムズのリキ=フルーティがドロップゴールを決めて、残り10分未満で16点差と厳しい状況となった。
しかし、相手はシンビンの10分間退場で1人を欠いている。相手ゴール近く、ボールを持って数人を振りほどいたアダム=トムソンがルーキー原田季郎にパスし、素早く動いた原田がトップリーグ初トライ。三友は確実で、13対22。あと5分、9点差。
しかし、37分に痛恨の反則でPGを許し、12点差。40分のホーン。盛り上がるブラックラムズ応援団。そして、ブラックラムズボールのスクラム。万事休すだったが、なぜかブラックラムズはボールを蹴り出せず、逆にイーグルスがトライ。三友が冷静にゴールを決めて、20対25。敗れはしたが、辛うじて7点差以内に収め、勝ち点1を挙げることはできた。
これで1勝2敗の勝ち点6で、プールB5位。セカンドステージでグループAに進むためには、少なくとも1つ順位を挙げなければならない。トップリーグは1週休んで、そこからイーグルスは山口で近鉄ライナーズ、盛岡でクボタスピアーズ、大分でコカ・コーラウエストレッドスパークスと、地方での3連戦。いずれも現時点でイーグルスより下位のチーム。1試合で1つずつ順位を挙げて、2位で最終戦の秩父宮に帰ってくることにしましょう!

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