ジンクス・エンド・ジンクス

プロ野球のセ・パ交流戦も、もう9年目。セントラルリーグのファンや、それほどは野球に興味のない知人と一緒に観戦するには、いい機会である。ということで、3戦目となるスワローズ対マリーンズを、神宮球場に見に行ってきた。
今回は、もう何度も一緒に見に行っているスワローズファンと、初めて一緒に行くマリーンズファンの若者と3人。若者は、普段はマリンスタジアムのライトスタンドで応援しているらしい。
何度か書いているかもしれないが、私が誰かと一緒に観戦した試合の、マリーンズの勝率は極めて低いというジンクスがある。特に、相手チームのファンが一緒だった時に勝った記憶は皆無である。しかし、実はマリーンズファンと一緒だというのは初めて。この時にジンクスはどうなるのか?
ちょっと所用があり、球場に着いたのは19時過ぎ。入場すると、「ホームラン!ホームラン!かっらかわ!」の応援が耳に入り、先発投手唐川侑己の打席だった。4回表。唐川は凡退したが、ここまで伊志嶺翔大・井口資仁・今江敏晃に本塁打が出ており、マリーンズは3対0とリードしている。ジンクスは破れるか。
マリーンズの攻撃が終わったところで、弁当を買いに行く。以前は青木宣親の弁当が売られていたが、今は特徴的な弁当はなし。これなら外でおにぎりと唐揚げでも買ってきた方がよかったな、と思いながらお金を払うと、崎陽軒のチャーハン弁当で神宮球場限定というものが目に入った。うーん、これにすべきだったか。
実は、「相手チームの選手の弁当を食べると、その選手が活躍する」というジンクスもあるので、とりあえずはよかったのかもしれない。客席に戻ろうとすると、大歓声。スワローズのウラディミール=バレンティンが本塁打を打って、ゆっくりと三塁に向かうところだった。しかも2点…。そう、「相手チームの攻撃中に席をはずすと、相手選手が本塁打を打つ」というジンクスもあったのだった。
まだ3対2の1点差。しかも、同行のスワローズファンに今一つ元気がないことと、三塁側内野席ではスワローズの応援があまり聞こえないこともあって、あまり接戦の感じはしない。途中、マリーンズのマスコット「マーくん」がサインボールをバズーカで撃ち込むところで、どうせこないやと弁当を食べ続けていたため、すぐ近くに飛んできたのに取り損ねたのは残念だった。飛び込めば絶対取れてたのになあ。
7回表に伊志嶺安打。唐川は、相手にえらく慎重になられたが、犠牲バントを決める。2死の後、四球。投手替わったが死球で満塁。今江が、バットを折って飛ばすことにより幻惑する「ジャコビニ流星内野安打」で1点。さらに四球で押し出しとなり、5対2となった。

8回表。唐川のところで代打福浦和也が出て盛り上がり、きれいな安打。代走に新人加藤翔平。5月12日の初打席で初球本塁打を放って一気に知名度を挙げた加藤だが、この日は盗塁死で初盗塁ならず。
8回裏にはカルロス=ロサが登板。これまでなら松永昂大→益田直也と関西国際大出身者で繋ぐところだが、ここのところの登板過多のためだろう。なんとなく不安を感じさせるロサだが、何と三者三振。

そして9回裏が松永。益田は寝違えたんだそうで、疲労から来たものなんでしょうね。ちょうど席からは、マウンドに向かう前に水をつける儀式がよく見える。水を渡そうとしているのは南昌輝。
先頭打者を四球で出すも、続く打者はピッチャーゴロ。ぼてぼてだが併殺か!と思いきや、2塁にはだれもおらず野手選択で無死1・2塁。松永の投げた球が速かったら、外野に抜けて2・3塁、下手すると1点入るところでした。
宮本慎也安打で無死満塁。続く畠山和洋は不調だということだが、打球は一直線に真っ黒に染まったレフトスタンドへ。逆転満塁サヨナラ本塁打!しかも、3点差をひっくり返す「釣り銭なし」!
と、すこーん、と負けてしまったのでした。

試合後の便所や帰り道では、みな口々に「なぜあそこで2塁に誰も入っていなかったんだ?」「なぜ9回が松永だったんだ?」と言っていました。もっとも口調は、糾弾しているとか、残念がっているというより、あまりの鮮やかな敗戦にあっけらかんとした感じでした。まあ、涙を流しながらとぼとぼと歩いている若い女性もいましたが。
「相手チームのファンと観戦するとマリーンズが負ける」。かくも強きジンクスのお話でした。
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