7人、7人、7人揃えば

友人夫妻に誘われ、7人制ラグビーの世界大会「東京セブンス」を見るために秩父宮ラグビー場へ。
もともとは、ポカポカとした日和のもと、Tシャツ1枚にでもなって観戦しようかというつもりだったのだが、金曜日にも増して寒くなりそうな予報。しかも朝から雨。当面使わないはずだった、ラグビー観戦用防寒用品を取りだし、使うはめになってしまった。外苑前駅を出た頃には、雨は残っていたものの傘がいらない程度だったのには少し安心。このまま持ってくれればよいのだが…。

7人制ラグビーのルールや、この「東京セブンス」の位置づけについては、あまりよくわかっていない。
とにかく、世界最高レベルの大会であり、スキーのワールドカップのように各地を転戦しているらしい。「東京セブンス」に参加するのは16か国・地域(以下「16か国」とする)だが、日本は開催地枠での出場とのこと。前にも書いたかもしれないが、ことスポーツに関しては日本を応援する気持ちは特にはない。が、今回はキヤノンイーグルスの橋野皓介選手が代表に選ばれているので、日本を応援することになりそうだ。
大会は3月30日(土)・31日(日)の2日間。この方式がまた複雑で、第1日は「予選プール」として16か国を4か国ずつAからDまで4つのプールに分け、総当たりで対戦。31日の「決勝トーナメント」では、「予選プール」の1位と2位、3位と4位それぞれ対戦し、前者で勝った方が「カップ」、負けた方が「プレート」、後者で勝った方が「ボウル」、負けた方が「シールド」を争うことになる。即ち、初日から2日目の前半までで、実力順に1~4部に分け、それぞれで優勝を決めるという方式である。
日本は、「予選プール」でニュージーランド、カナダ、フランスと同じ「プールC」に所属。カナダに勝ち、ニュージーランド・フランスに負ける1勝2敗で4位となり、「決勝トーナメント」最初の試合では「プールB」3位のウェールズと対戦する。この試合に間に合うように、友人夫妻と待ち合わせた。

待ち合わせには15分ほど早めに着いたので、「リポビタンDの試飲ができまーす」という声に釣られる。手に取ろうとしたら、お姉さんに「あれっ?」と不思議そうな顔をされる。何の説明も聞いていなかったが、一緒に「ファイトー!いっぱーつ!」と言わなきゃならんらしい。ここまで来て引き下がるわけにはいかないので、一緒に言って1本いただく。

入場。メインスタンドの中央部分は指定席で、自由席でも屋根のある部分は「満席」の表示。とりあえず雨も小降りなので、屋根の縁の真下あたりに席を取る。日本代表の、試合直前の準備の様子がよく見える。橋野選手は出場するだろうか。

試合開始。橋野選手は背番号10で先発出場。背番号はポジションを表すものではなく、プロ野球のように選手固有らしい。実際には、橋野選手はスクラムハーフとしての出場だった。

背番号10が橋野選手。この試合は14対22で敗れ、「シールド」に回ることになった。

オーストラリア(プールB2位)対フィジー(プールA1位)。黄色がオーストラリア。

フィジー国旗を持って応援する人たち。結果は12対21で、オーストラリアの勝利。

ケニアの試合直前練習。第1日も観戦した友人夫妻によると、さすが身体能力は高く、指導者に恵まれれば強くなりそうだとのこと。昼食に行ったため、試合を見ることはできなかった。

「シールド」準決勝で、日本の対戦相手はポルトガルで、橋野選手は先発出場。前半は7対10だったが、橋野選手が退いた後半に逆転し、19対15で決勝に駒を進めた。

勝利を喜ぶ日本選手。

1部に相当する「カップ」準決勝第1試合はオーストラリア対ニュージーランド。この試合が、一番見ごたえがあった。

7人制ラグビーを見ていて楽しいのは、スピード感。ボールを持った選手の、相手を幻惑する足捌き。華麗な、あるいは曲芸的なパス。それらがふんだんに盛り込まれた試合だった。結果は35対17でニュージーランドの勝利。

「シールド」決勝で日本と対戦するのは、「予選プール」で勝った相手であるカナダ。

カナダ人(でしょう)の少女の、頭のカエデがかわいい。日の丸じゃあ、こうはいかない。

この試合も橋野選手は先発し、前半7対17。しかし、後半開始間もなく、橋野選手が見事なトライ!ゴールも決まって14対17の3点差となり、場内は一気に盛り上がる。しかし、前半2トライのショーン=デュークに、さらに2本のトライを追加され、14対27の敗戦となった。

カナダ代表の表彰式。4部でも優勝は優勝。鶏口となるも牛後となるなかれ。

3部に相当する「ボウル」決勝はアルゼンチン対イングランド。乱闘があり、双方1選手がシンビン(一時的退場)となった。7人制は試合時間が前後半各7分なので、シンビンも2分間。

そうそう、女性(たぶん)の審判もいます。この人は線審ですが、主審もいました(たぶん)。

本当の決勝である「カップ」決勝はニュージーランド対南アフリカ。

決勝4試合と3位決定戦では、試合開始時のボールを子供が置きに来る。大会主催のHSBC(香港上海銀行)の社員の子供ということだが、日本にそんなに社員がいるとは思えないので、適当な年齢の子供は総動員だったのではないだろうか。

前半はニュージーランド12対0。南アフリカはいいところなく、これはニュージーランドの圧勝かと思ったら、後半は嘘のように形勢逆転。結局、24対19で南アフリカが勝利を収めた。

「カップ」決勝だけは前後半各10分です。

表彰式。優勝した南アフリカに、森喜朗氏から「カップ」が渡される。なるほど、「カップ」「プレート」「ボウル」「シールド」はそういう意味だったのね。

優勝をたたえる花火。
残念だったのは、表彰式の時には、半数以上の人が帰路についていたこと。確かに寒い中ずっと座っていたので、一刻も早く帰りたい気持ちはわからないでもないが、表彰式までは席についてるのが観戦者の礼儀ではないだろうか。あと、終了後の客席がごみだらけだったのにも興醒め。

まあ、それはともかく、見応えのある試合でした。来年も、できれば観に行きたいと思います。その時には、もっと気候がよいことを期待して…。
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