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2012.12.16

いてまえ!近鉄花園

2012年12月15日(土)

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あまりホームとかビジターの概念がないように思われるラグビートップリーグにおいて、唯一明確なのは近鉄ライナーズの本拠地が近鉄花園ラグビー場だということである。

名前からも明らかなように、プロ野球における阪神タイガースと阪神甲子園球場の関係と同じ。高校生の全国大会が行われる「聖地」であることも同じである。その両者が、電車で乗り換えなしで行けるようになっているのも面白い。

キヤノンイーグルスは、その近鉄花園ラグビー場で、過去2回の公式戦を行っている。いずれもトップチャレンジ1で、2011年は勝った方がトップリーグに昇格する対戦でホンダヒートに5点差で敗れ、2012年豊田自動織機シャトルズを破って次戦でトップリーグ昇格を決めた。

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さて、トップリーグ第11節のイーグルスは、近鉄花園ラグビー場での近鉄ライナーズ戦。即ち、甲子園球場でのタイガース戦のようなものだ。まあ、あれほど観客ほぼ全員がライナーズを応援するとまではならず、せいぜい藤井寺か日生球場ぐらいだろうが(よく知らないけど)。

イーグルスのサイトによると、ファンクラブテントの営業は12時30分からとのことだったが、12時から九州電力キューデンヴォルテクスパナソニックワイルドナイツの試合があるのでいちおう早めに行ってみると、まだ準備中のようではあったが受け付けはしてもらえた。なかなか気がきく対応でありがたい。

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朝方の雨もやんでおり、さほど寒くはない。屋根のないバックスタンドの席はかなり濡れていたが、タオルで拭き取って座る場所を作る。ほどなく試合開始となったが、前半はワイルドナイツが自由自在にトライを決め、7トライで50対7。実況中継風の場内放送で「ボールを持てばトライにつなげるワイルドナイツ!」と言っていたが、まさにその通り。特別にすごいプレーがあるというより、ボールをもてば確実に前進、パスやキックもきれいに決まってトライ、という感じだった。たぶん、これが本当に強いということなんだろう。

このまま100点近い試合になるのか、と思われた後半だが、なぜか前半と空気ががらっと変わる。スクラムの強さや巧みなキックパスを生かしたヴォルテクスが、後半4分と6分にトライを決め、結局勝ち点1を得る5トライ。後半だけだと28対26とリードする展開となった。両チーム合計で16トライ14ゴール1PGの111得点。観ていて楽しい試合でした。

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角のスタンドで盛り上がっていた外国人集団。両チームのプレーに大歓声を挙げ、「レーッツ、トライ」等の歌(?)を歌っていました。

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さて、いよいよ第2試合。ゴール裏には、整然とした応援団が、それぞれ幟をもって整列した。横断幕によると、近鉄保険サービスの応援団のようだ。

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そして、バックスタンドにはいかにも近鉄らしい(偏見です)おっちゃんが率いる応援団。こちらは私設なんでしょう。客席に対して、リーグ戦では花園最後の試合であるので大事な試合だとか、いろいろ訴えていました。「わしらはライナーズに愛がある。愛はあるけど…」に対し、客席が一斉に「金はないー」と答える等、息も合っています。もちろん、試合中には「いてまえ、近鉄」もありました。

イーグルスのフォワードは、城彰が2試合ぶりに復活して、山路泰生が控えに。アルベルト=ヴァンデンベルグがはずれて湯澤奨平が3試合ぶりに先発し、甲斐洋充が今期初メンバー。そして、トマシ=ソンゲタが先発。

バックスはスクラムハーフ福居武が2試合ぶり。守屋篤が先発し、ティム=ベネットは控えに回った。即ち、メンバーの外国人はソンゲタとカラム=ブルースの先発2人と、控えにアジア枠のベネットとなっている。

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こちらも大事な試合であるイーグルスだが、前半3分と6分にあっさりとトライを与えてしまう(0対12)。しかも、ライナーズに的確にパスを回され、手の出しようもない展開に見える。これは、今期最大の惨敗か…という不安が頭をよぎる。

その後、ソンゲタの「いてまえ」トライで7対12となるが、あまりチャンスを作ることができない。とにかく、ライナーズのパスまわしに翻弄され、左右幅広く使われてしまっている。さすがは、日本最大の路線網を誇る(JRを除く)近鉄のチームだ…等と言っている場合ではない。もらったパスを受け取らず、ちょんとはじいて次の選手に回すプレーも見られた。

前半31分には、宍戸要介に替わり山路が登場。なんとか流れを変えたいところだ。

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ハーフタイムには、第1・第2試合ともに選手と子供達のランパスが行われた。イーグルスからは中田慎二と田中大喜が登場。途中を飛ばしたり、キックパスを使ったり、選手も子供も楽しんでいたようでした。

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さあ、後半。スコアボードのチーム名も、いつの間にか正しくなったところで、本来の調子を発揮してほしいところ…と思った矢先の後半1分、早くもライナーズのトライ。しかし、ここから立て直す。後半から入った大居弘樹がトライを決め、ブルースが独走し続けてトライ。三友良平が下がってしまったため、久しぶりにゴールキックを蹴るブルースは、大居の時には失敗したものの自らのトライの時は走りぬいた疲れも見せずに成功。今やイーグルスのキックと言えば三友だが、その前にはブルースが極めて高い成功率で蹴っていたのだ。

ここで5点差に迫るが、ライナーズの粘りはさすがに古豪。しかしイーグルスも追いすがる。5分後にライナーズのトライで10点差、その3分後に湯澤のトライ(ゴール成功)で3点差。その3分後にライナーズのトライで8点差。6分後には攻め込むイーグルスが認定トライを得て、ついに1点差まで追い上げた。

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いちおう写真撮っとこ、と思ったのは私の気の緩み。そう、逆転勝利に終わるなら、こんな写真に意味はない。31分にライナーズのトライ(ゴール成功)で再び8点差となると、その後は攻め続けても得点につなげられない。なんとか39分にブルースのPGで5点差に迫るが、再開の前にホーン。それまでも何とかトライをと攻め続けたが、ライナーズにボールが渡って万事休す。蹴りだされてノーサイドとなった。

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うーん、4トライと7点以内差で勝ち点2は得たものの、ちょっと残念さが残る試合。逆転できなかったというよりも、最初の10分間が惜しい敗戦だった。

16日に福岡サニックスブルースが敗れて、12位以上、即ち入れ替え戦回避が確定したイーグルスではあるが、10位以上でのワイルドカードトーナメントも厳しくなった。何とか次節、ちょっと久しぶりかつリーグ戦最後である秩父宮でNECグリーンロケッツ戦に期待したいところである。

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花園は、いろいろな食べ物が魅力。

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リ・ヤンバーガー(300円)。蒸しパンに豚の各煮が挟まれている。

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フランカーポテト(250円)は、大隈隆明選手の「クマ・コンソメ味」を選択。

ちゃんと出場しない(大熊選手は控え)選手のものにしたんですけどねえ。

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