走れ
高校生の頃は早寝早起きだった。毎日21時に寝て、4時半起床。別に両親がパン屋や豆腐屋を営んでいたとかではなく、何となく自分だけが早寝早起き。ちなみに朝食も他の家族がパンなのに、私だけご飯。いまさらですが、お母さんすみませんでした。
で、朝4時半に起きると、蒲団をたたんだり身支度をして、机に座ってイヤホンを耳にはめてラジオのスイッチを入れる。ちょうど深夜番組が終わる時間で、聴き始めるとすぐに「チャチャチャチャー、チャチャーチャ、チャチャーチャ、チャチャチャ…」という音楽が流れてくる。音楽の最後は「ひのー、ひのーじどうしゃ」。日野自動車提供の「走れ!歌謡曲」である。

てなこと思い出しながら、中央快速で日野駅まで来て、日野自動車総合グランドへ歩く。先々週の轍を踏まぬよう、ちゃんと地図を印刷。が、その地図を家に忘れてきてしまった!でも、わかりやすい道だったから大丈夫…と思っていたのに、また迷ってしまいました。何やってんだ、おれは?なんとか試合開始15分前には着けましたけど。次回は熊谷ラグビー場だから大丈夫だけど、その次のIBM八千代台グランドは初めてなので、絶対迷わないようにします。

ということで、ほとんど落ち着く間もなく日野自動車レッドドルフィンズ対キヤノンイーグルスのキックオフ。観客席と選手が控えるテントが並びだったので、上の写真を撮る直前に選手達の前を通ったのだが、近寄りがたいほどの気合が猛然と発せられていた。声や動きによる気合ではなく、まさに「気」。真剣勝負に臨む選手のすごさを実感した。

知人を見つけたので、一緒に観戦。開始直前、彼が「出だしが調子悪いんだよなあ」とつぶやいたが、それは私も感じていたところ。そこをしのぎながら、調子を上げていくのがこれまでのパターンだったのだが、今日は開始4分でレッドドルフィンズに先制のトライを取られてしまった。トライで先行されたのは三菱重工相模原ダイナボアーズ戦以来4試合ぶりで今期2度目。先制されたのは秋田ノーザンブレッツ戦以来3試合ぶり3度目、リードを許したのも3度目となる。そうか、逆転されたことは1度もないんだな。1度でもリードすれば、それを守りかつ徐々に広げて勝利に結びつけるのが、今期のイーグルスのラグビーなのだろう。
なんてことはこの記事を書きながら気づいたことで、観戦中はちょっと良くない雰囲気。特に、ここ数試合力強かったフォワードが、モールでぐいぐい押しこまれる場面が何度か見られる。さすが相手はトラックの会社だなあ、等と感心している場合ではないのだ。
しかし、9分にはトライを決めて同点。カラム=ブルース選手が出ていないので、今日のキックは橋野皓介選手だったが、気持ちよくゴールを決めてくれていた。特に前半終了直前の、サイドぎりぎりからのキックは鮮やか。キック以外でもトライに絡む活躍が何度も見られ、ここ2試合欠場していた鬱憤を晴らしているかのようだった。
そして、次のトライで単なる逆転ではなく、いやな雰囲気を振り払ってくれたのは、やはりこの人、アリシ=トゥプアイレイ選手。ハーフウェイ付近から、何度も食い下がろうとするレッドドルフィンズの選手を振り切って、イーグルス2本目のトライ。一人でボールを持ち続けて走ったという意味では「独走」なのだが、ただ一人で走っていたのではない。ずっと相手に邪魔をされ続け、ゴールに入ってからも執拗に絡んでくる相手選手を振り払い、中央まで行ってからトライ。「これで雰囲気を変えてやる!」という気持ちが伝わってくるプレーだった。
結果的には前半47対7(7トライ)。後半も必死で攻めてくるレッドドルフィンズに1トライを奪われるも、45対5(7トライ)。合計92対12で開幕9連勝を決めた。14トライは今期最高で、3度目の2桁トライ。ただ、2トライされたもの3度目。得点は大差だが、それほど楽に勝った気がしないのは、期待しているものが高いからなのか、観客として自分に変なおごりがあるのか。次は1週明けて釜石シーウェイブス戦。しっかり応援したい。
うれしかったのは、後半出場したロマノ=レメキ選手。先期に何度も楽しませてもらった気迫あふれるプレーを、今日も何度も見せてくれた。
なお、2位の東京ガスラグビー部は日本IBMビッグブルーに57対7(9トライ)で勝って勝ち点5。従って、イーグルスの優勝マジックは5減って、6(勝ち点)。次戦のシーウェイブス戦に勝っても、東京ガスに勝ち点並ばれる可能性はあるが、今日の結果で得失点差の差(ややこしい)が144(イーグルス445・東京ガス301)に広がってはいる。少なくとも、あと1勝を勝ち点5で上げれば、トップチャレンジへの進出は確定する。
トップキュウシュウでは九州電力キュウデンヴォルテクスが55対0でマツダブルーズーマーズに圧勝。両者は勝ち点25で並んだが、ブルーズーマーズは全日程終了なので、11月27日の中国電力ラグビー部戦で1点でも勝ち点を挙げればキュウデンヴォルテクスが優勝となる。いずれにせよ、トップチャレンジに進出するのが両チームになることは確定した。
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