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2010.10.17

勝手に予想トップイーストリーグ

10月17日、釜石シーウェイブスはJAL WINGSを36対10(6トライ)で下し(情報源はこちら)、5連勝の勝ち点25で、トップイーストリーグの単独首位となった。勝ち点1差で追うキヤノンイーグルスとの直接対決は第10節12月 5日。このまま行くと、その試合で勝ったチームが優勝の可能性大、となるのだが、それまでは待ちきれないので、適当に条件を設定して、イーグルスが優勝する可能性を探ってみることにしよう。

まずは、順位の決定方法をおさらい。トップイーストリーグの順位決定は、「ジャパンラグビートップリーグ規約第39条に準ずる」となっているので、簡単にまとめると、

1. 勝ち点
2. 得失点差
3. 直接対決での勝ち点
4. 直接対決での得失点差
5. 総トライ数
6. 総(トライ後のゴール)数
7. 抽選

の条件で決まることになっている。では、その勝ち点であるが、同じ規約第39条から引用すると、

2.各試合の勝ち点は、勝ち4点・引き分け2点・負け0点とする。
3.また、ボーナス点として以下の勝ち点を与える。
(1)負けても7点差以内ならば、勝ち点1を追加
(2)勝敗に関係なく、4トライ以上獲得したチームに、勝ち点1を追加

ということで、「勝ち点」なのに負けてももらえるという不思議な「点」である。たとえば、4トライ以上で8点差以上付けて勝てば勝ち点は5対0となるが、3トライ3ゴールの21点で4トライ0ゴールで20点の相手に勝つと、勝ち点は4対2で2つしか差がつかないということになるのである。この手の競技で多少なりとも知っているのは野球だけの身としては、なかなか理解が難しいが、とにかくそうなっている。

さて、第5節終了時点での順位であるが、

順位   勝ち点
1 釜石シーウェイブス 25
2 キヤノンイーグルス 24
3 三菱重工相模原ダイナボアーズ 21
4 東京ガスラグビー部 20
5 横河武蔵野アトラスターズ 15
  日本IBMビッグブルー 15
7 栗田工業ラグビー部 14
8 日野自動車レッドドルフィンズ 5
9 サントリーフーズサンデルフィス 4
  セコムラガッツ 4
11 秋田ノーザンブレッツ 1
12 JAL WINGS 0

となっている。勝利数で言うと、1・2位は5連勝、3・4位は4勝1敗、5~7位は3勝2敗、8~10位は1勝4敗、11・12位は0勝5敗である。ここでは、仮に1~4位を「上位」、5~7位を「中位」、8~12位を「下位」と呼ぶことにし、上位4チームについて考えてみることにする。

まず、上位4チームのこれまでの対戦相手が、どのグループに属しているかを見てみよう。

順位 チーム 上位 中位 下位
1 釜石シーウェイブス 0勝0敗 1勝0敗 4勝0敗
2 キヤノンイーグルス 2勝0敗 2勝0敗 1勝0敗
3 三菱重工相模原ダイナボアーズ 0勝1敗 0勝0敗 4勝0敗
4 東京ガスラグビー部 0勝1敗 1勝0敗 3勝0敗


見てわかる通り、イーグルス以外の3チームは下位中心に勝ち星を挙げているのに対し、イーグルスは上位から既に2勝を挙げている。つまり、以前にも書いたことがあるが、イーグルス以外はこれから上位間での星のつぶし合いを含め、だんだんと強い相手と戦っていかなければならないのである。

その「上位間での星のつぶし合い」だが、今後の予定は、

第7節 11月 7日 ダイナボアーズ対東京ガス(秩父宮)
第8節 11月14日 シーウェイブス対ダイナボアーズ(三菱)
第10節 12月 5日 シーウェイブス対イーグルス(熊谷)
第11節 12月12日 シーウェイブス対東京ガス(東京ガス)

となっている。シーウェイブスの釜石での試合は、前身である新日鉄釜石時代からの大漁旗を使った応援で相手チームを圧倒すると聞いたことがあるが、3戦すべて関東地方と言うのはやや不利な条件となりそうだ。

まず、11月 7日の試合で、ダイナボアーズと東京ガスのいずれかが上位から振り落とされることになる。しかし、両者ともイーグルスとの対戦を終えているため自力優勝の可能性はなく、イーグルスが負けるか、少なくともボーナス点取れずに勝ち点4の勝利を積み重ねることを待たねばならない。

11月14日にシーウェイブスが勝てば、12月 5日に全勝同士の大一番となる可能性が高いが、仮にダイナボアーズ相手に勝ち点0で敗れるとどうなるか。さらに、その間のイーグルスは勝ち点5の勝利を積み重ね、シーウェイブスが中位チームに苦戦して勝ち点4でしか勝てなかったら…。その時の勝ち点は

・釜石シーウェイブス 34
・キヤノンイーグルス 39

となる。さらに第9節でもイーグルスが勝ち点5、シーウェイブスが勝ち点4(相手は中位のアトラスターズ)だと、

・釜石シーウェイブス 38
・キヤノンイーグルス 44

で、勝ち点差は6。即ち、第10節の直接対決でシーウェイブスが圧勝して勝ち点5対0となっても1差が残り、第11節でイーグルスが勝てば優勝が決まる。つまり第9節にしてシーウェイブスは自力優勝がない状態になり、野球で言えば「イーグルスにマジック点灯!」なのである。さらに、第6・7節のシーウェイブスが共に勝ち点4の勝利の場合は、第8節の時点でイーグルスに「マジックナンバー」が点る可能性もある。

混戦状態になると、第2の順位決定条件である得失点差が物をいう可能性もあるので、上位4チームの得失点差・総トライ数・総ゴール数も計算しておこう(東京ガスの今日の詳細がチームのサイトに掲載されたので修正しました)。

順位 チーム 得点 失点 トライ ゴール
1 釜石シーウェイブス 196 71 125 30 17
2 キヤノンイーグルス 232 53 179 30 26
3 三菱重工相模原ダイナボアーズ 299 61 238 47 32
4 東京ガスラグビー部 206 92 114 31 21

ダイナボアーズの得失点差が突出している。JAL WINGS戦の114対0(18トライ・12ゴール)があるとはいえ、やはり同じ勝ち点にはなりたくない相手である。また、イーグルスのトライに対するゴール比率が86.7%というのも特徴的だ。トップリーグではどの程度なのかわからないが、他の3チームが56.7%・68.1%・62.5%であるのと比較すると、群を抜いている。

 

とまあ、結果だけを頼りに書き連ねてきたが、あまり相手の失敗を期待するのはよろしくないので、とにかくイーグルスには勝ち進んでいただいて、12月 5日の熊谷での堂々たる全勝対決を楽しみにすることにしよう。でも、ちょっとは甘い期待も…。

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